日本画教室『楽人衆』
1993年(平成5年)より京都市内で日本画家小西敦雄が開設している日本画教室『楽人衆』の生徒さん達の作品と教室案内です。
在籍10数年生から新人まで 皆な和気あいあいとした本当に楽しいかけがえのない人達です。邪心を持たずコツコツと「絵を描くこと」を楽しみ、生き生きと過ごされている素敵なアマチュア達です。沢山の作品が有りますができる限り順次展示紹介して行きたいと思います。どうぞ御高覧下さい。
( 隔年開催の『楽人衆』展において発表されたものを掲載して行きます。)
なお新期掲載分は ★ NEW ★と印しています。
当ページ画像の無断使用は御遠慮下さい。
日 本 画 教 室 『 楽 人 衆 』 御 案 内
◆ 日曜日クラス と 月曜日クラス
◆ 両日とも1時より
◆ 月4回 ・月3回・月2回・月1回など自由に選択可能
◆ 於:楽人衆本教室 (京都市上京区)
◆ 見学や体験実習も自由です
★★★ 詳細のお問い合わせなどはここから小西まで
トップページに戻る
★ NEW ★
楽人衆 『野外写生会』
時折実施する各「野外写生」の様子を掲載しました。
『京都嵯峨大覚寺周辺
「滋賀県長浜総持寺牡丹
「京都府立植物園花菖蒲」
「京都府美山」
「京都伏見酒蔵」
「滋賀県仰木の棚田」
「京都府浄瑠璃寺・奈良市二月堂」
「京都市北部の紅葉」
「京田辺牡丹園」
「滋賀県近江八幡市」
トップページに戻る
楽 人 衆 作 品 展 示
楽人衆各人の作品を新たに展示しました。どうぞ御高覧下さい。
《模写》
《模写》
《模写》
《模写》
《模写》
トップページに戻る
( ※ 作者年代は制作時の年令です )
『次なあに』4号F (作者50才代女性)
可愛いお孫さんの姿を愛情深く描かれた作品です。身近な思い入れ深い対象を描くことは絵を描く上で大変良い題材かと思われます。花であれ風景であれ人物であれ、対象を自分が心をこめて描くことが大切と思います。
作者は生憎現在療養中にて絵筆はとれていませんが、この作品は鑑賞者の心に残るものとなりました。
『葵』SM (作者50才代男性)
サムホールという小さな作品ですが、大へん味わい深いものとなっています。画面の構成や色合いも良く、落款の位置までなかなか締まっています。
当作品の制作当時は現役バリバリの勤めをされていて、時間的に充分な機会が有りませんでしたが、現在は退職され余裕をもって趣味としての日本画を描いておられます。その後、多々楽しみな作品が出来上がっていますが、次回『楽人衆』展での発表後に順次掲載して行きたいと思っています。
『情』6号変 (作者30才代女性)
大へん見事に細かな表現まで描くことが出来ていた作者が、病によって手が震え絵筆を持つことが出来なくなりました。それでも尚、作者はひたすら絵を描きたいという思いを抑えることが出来ず、一層心燃やして取り組もうとしましたが‥‥。
この絵は、持つことが出来なくなった絵筆に変え、貼り絵という手段で自分の思いを込めて一心に表現された作品です。震える手で和紙を細かくちぎり、細部まで深い表現を求めて苦心された姿に大へん感動しました。
『バクタブルの街』10号F (作者60才代男性)
旅先のネパールの街を描かれた作品です。絵を描くことに大へん熱心で、堅実な作品が次々と出来上がって行きます。それら沢山の作品の中でも御本人が一番気に入られている一つです。
人柄通りの真摯な堅実さがややもすると珠に硬さになったり、絵としての面白味を減退させたりすることもありますが、この作品では融通の利いた画面処理がマチエールの強さや色調の調和を生み出し、また、描きたかった異国の空気さえも醸し出されていてなかなかの秀作となっています。
『こころ』30号F (作者20才代女性)
大学を出て以来、絵を描く機会が持てなかった思いをやっと解放して描くことが出来た一作目の作品です。
絵を描いていないと何処か心落ち着かないと言うことは有るもんですね。絵を描くことで自分の心の拠り所を見い出せたり、自分を見つめ直すことが出来ればと思います‥‥。
以後結婚もされ、漸く自分の足元を見つめながら確かな歩みをされており、絵の方もいずれ生き生きとした伸びやかな世界を展開されることと楽しみにしています。
『望郷』50号P (作者60才代男性)
トップページで他のコーナーとして紹介している“着衣人物写生会”で「シルクロードの人」と題し、中国の新彊ウィグル自治区からの留学女性をモデルとして描かれた作品です。
この作品『望郷』は作者がモデルの女性に気前良く寄贈され、今は彼女の故郷の広い居間で、就学終えての帰国を待ちわびる御両親や彼女の幼い子供さんの心をきっと慰め続けていることでしょう。
『金箔と器』20号M (作者60才代男性)
小学校の校長先生を退職されて以来、我が教室で初めて絵を描き始められました。一つまた一つと集められた作家物の陶器の収集品をひとつひとつ愛おしい思いで描き続けておられます。“なんで他人の作った陶器をまたわざわざ絵に描くのか”と言う人も有りますが、誰よりも愛して止まない思い入れある対象を生かさないことはないと考え、一作一作の絵の出来上がりを共に楽しんで観せて貰っています。
『春芽』15号F
(作者70才代女性)
若い時から仕事で酷使された足の痛みを持ちながら市内の遠くからの熱心な当教室通い。中断の時期は有りますが、教室発足以来の足掛け10年生。一枚一枚が前向きな意欲と地味な努力の結晶です。この竹林の絵にもそんな意欲と新鮮な若々しさが感じられます。
『紅』30号F (作者50才代女性)
京都祇園近くに自宅の町家を生かした居心地良い心憩う店、その壁面や床の間を飾っているのが御本人のこれらの作品。人一倍熱心でエネルギー溢れる情熱家、作品数も一番多いのでは‥‥。
舞妓はどの妓も再三再四お化粧を直す“化粧の虫”。艶やかな色彩や金箔の画面からも、京紅を無心に塗る舞妓の愛らしさと微笑ましさが伝わって来ます。
『秋色』30号F
(作者70才代女性)
教室恒例の「秋の野外写生会」で出かけた滋賀県“仰木の棚田”での写生を作品化されたものです。作者自身の地元近くでもあり、思い入れ深く描かれた作品となっています。じんわりと想いの伝わって来るこの作者らしい穏やかな暖かみが感じられます。仰木の里への寄贈も考えられていましたが、今は大切に自宅の一角に飾られているそうです。
『操り人形』 50号F (作者50代女性)
旅行仲間と毎年1〜2回の海外旅行。その度に現地の民芸品等を購入し、それらが次々と絵の題材となっています。この絵のモデルもミャンマーのもので民族色溢れる操り人形です。
作者は仕事もしながら、絵も描き、週に3日もテニスをしと大へん活動的な生活。その勝ち気さは絵からも感じられ、色彩豊かで鮮やかに、また細々とした模様や飾りも描き切っており、生き生きとした表情で人形を描き上げています。
『静花』 3号F (作者50代女性)
数年前に作者が初めて描かれた作品です。「才能がないから」「下手だから」とか言いながら、いつも堅実な作品が仕上ります。ひとつひとつ何枚も写生を重ね、それらの中から吟味して1〜2枚の作品が生まれます。テンポはゆっくりですが、着実な歩みは徐々に本当の力となって行っています。
『おしゃれな人』 40号F (作者50代女性)
トップページの他のコーナーに紹介している“着衣人物写生会”で、「おしゃれな人」と題してモデルに来て頂いたとてもおしゃれな高齢の女流水彩画家を描いた作品です。
作者はなかなか独自な感覚の持ち主で、柔らかな独特の色感と、鷹揚さと繊細さが同居する彼女らしい絵をいつも描いて居ます。何でも自分らしく絵にすることが出来て、他のメンバーから羨ましがられていますが、当の本人はいつもいつも人一倍悩み悩んで描いています。
『伏見』 6号F (作者50代女性)
教室恒例の「秋の野外写生会」で出かけた京都伏見の“酒蔵”の写生を作品化したものです。
作者は御主人の会社を手伝い、共に仕事をされている大へんしっかり者の女性です。絵の上ではそのしっかり者がゆえの固さも少々見られますが、一枚毎に絵を描く面白さや、日本画の絵具の魅力にも親しみ、時折あっと思う絵が出現します。
『バラの人』 10号F (作者70代女性)
故郷に居られる旧友が若くして亡くされたバラの大好きだった娘さんの姿を、作者が心をこめて描かれその友人に贈られた作品です。
作者は当教室の最年長の方で大分目も弱くなられた様ですが、いつまでも純真で清潔な心が絵からも感じ取れます。教室仲間からは愛称で呼ばれ、当教室の“アイドル”的存在の心可愛い方です。人間、齢を重ねてもこう有るべきかと思わせんばかりの無垢な心の持ち主。作品作りは無理なくマイペースで1年に1枚か2枚ですが、いつまでも心澄んだ絵を描いて行って貰いたいと思っています。